人生の節目、40才で考える事

40才で考える事

10代で基礎を学習し、20代で恥をかき、30代で応用を学ぶ。
一通りの人生経験を済ませた40才では、多くの人が迷い、これから先の20年をどう過ごすかを考えると思う。

ある人は順風だった事業が突然苦境に陥り、収入も交友関係も破綻してしまうかもしれない。
またある人は、暗闇の中をさまよっていた人生に、突如強い光が見え花開く人生の転機になるかもしれない。

プラスからマイナスへ、またマイナスからプラスへと大きくベクトルが動くのが40代ではないだろうか。
何かを諦めるにはあまりにも早すぎる、しかし何かを新しく始めるには少し遅いのではないかとも考えてしまう。
これまでの人生経験で養った打算で計算しているうちに45才の節目を向かえ、気づけば40代後半になっていた、、、という人も少なく無いだろう。

ここではいづれの10年であっても、心が迷わない道を模索してみたいと思います。


ケース1、苦境へ落ちる40才


統計的に見ても収入が最も高まるのが40代前半のようである。
20代、30代で培った技能、才能、人脈が縁を呼び寄せ、自分ではコントロールできない追い風が吹いてくる。
お金を稼ぐのが実に簡単に思え、天下を取ったかのようにふるまう人もいる。
しかし、そのあなたの富は、偶然背中から吹いてきた追い風のおかげなのである。
それを自分の力、実力と勘違いして生活レベルを上げ、稼いだお金を遊楽につぎ込めば、あっという間に破綻がやってくる。

概して追い風は刹那の場合が多い。
長くて5年、短ければ2年程度だろう。
この場合、短い方が本人のためなのだ、3年以上も続いてしまうと本当に自分の実力であると錯覚し、この環境が50代以降も続くと思いこんでしまうものである。


転落への序章、まず収入が上がると遊行費を上げる


友人や恋人との食事会が増え、今までは手ぶらで会っていた人に手土産を持参するようになる。これは明らかに自己優越感と承認の欲求、自我の影響だ。
ランチで700円を境目としていた人が1500円程度なら安いと感じるようになり、週に一度は5000円以上のランチも平気で食すようになる。
そのため圧倒的に交際費を含む食費が増える。

食費の中でもアルコールに占める割合は比較的増えやすいかもしれない。
ワインやシャンパン等、より高価で数ランク上のものを選ぶようになり、それを飲むグラスも高価な物を調達する。
こうして生活レベルが徐々に上がってゆく。


転落劇場チャプター1、次に服装と移動費が上がる


友人や恋人との交際が増えると、服装も変化を意識する。
これまではファストファッションで済ませていたのが、高級ブランドを挟むようになり、コーディネートの関係上、全身同一ハイブランドで調達するようになる。

高価な服装になると電車に乗るのは少しかっこ悪い。
そこで移動はタクシーを頻繁に利用するようになる。
それに慣れるとちょっとした移動でさえもタクシーを利用するようになるのだが、月に数万円の出費なら全く気になる事も無い。
お気に入りのタクシー会社、タクシー運転手が電話帳に入っており、専属運転手の一歩手前のような感覚で利用する。


転落劇場チャプター2、最後に家賃が上がる


日々の変動費的な遊行費が上がり出し、それでも余裕があると固定費に手を出す。
固定費の代表が家賃だろう。

三井、三菱、住友など大手商社の不動産部門は上顧客の扱い方に慣れている。
これまで住んでいた家賃の2倍程度の物件へ一気に住み替えるのが一般的だが、専属の担当者が付くため、引越し等では諸手続きを自分でやることは無くなるし、コンシェルジュ的に至れり尽くせりで働いてくれる。

住む場所というのは非常に重要だ。
収入が上がれば住む場所を変えたくなるのはごく当たり前のことだし、自分の器を高めてくれるため積極的に住処を変えるのは良いことだと思う。
しかし、今回の場合は収入源が不安定な状況下での引っ越しなので本末転倒だ。

心地よい住環境は自分をさらに勘違いさせる。
ようやくここまで来たか、、、という妙な優越感に浸り、生活レベルが完全に上がりきってしまう。

そうして、この家賃を上げたところからが転落の始まりとなる。


転落劇場チャプター3、追い風が無くなり収入が1/3以下に


太い顧客が消える。
固定収入のあてが無くなる。
突然病を患い、仕事がこなせなくなる。

理由は様々だろうが、家賃を上げてから2年程度で転落の兆しがやってくる。
まだ貯金があるから本人はあまり気にしていないし、どんな物事も右肩上がりなどはあり得ない、これも一時的な調整局面だろうなどと考えており、生活レベルを下げる気配など毛頭無い。
相変わらず遊行費は多く、見栄を張って高価な服、高価な贈り物を調達する生活に変わりはないのだ。

しかし、インカムとアウトプットの帳尻が合わなくなり始め、小刻みにだが貯金が減ってゆく。
まさか自分がと思い始めた頃にはすでに取り返しがつかなくなっており、にっちもさっちも行かなくなる。

年収レベルで言うと順風だった頃の1/3程度まで下がるのが相場なのだが、比較的大きな収入だったため下落額も大きい。
当然これまでのような生活が出来なくなるため、家賃、食費、移動費、遊行費を下げなければならない。
本来なら最も大きな固定出費である家賃を下げなくてはならないのだが、住所が変わると評判にも影響するというプライドが邪魔をして引越しができない。
そこで手っ取り早く移動費と食費を下げる。
見栄はまだあるので、人と会うときは高級レストランで食事をし、自分一人の時にはセーブするという生活になる。
当然一人で移動するときには電車である。

こうして貯金が滝を落ちる水のように無くなってゆき、ついに家賃を下げ都落ちをしてゆくのだ。


対処法1、転落した後の思考、転落前の教訓


この記事を読んでいる多くの人は、おそらくそうした40代の節目で転落を経験した、もしくは転落の兆候がある人かもしれない。
今が順風ならこの記事にたどり着くことも無いだろう。

小さな小船を漕いで目的地を目指す事よりも、転落しかけた大型船を復旧する方がはるかに難しいのは、人生経験豊富なあなたならよくお分かりだろう。

まずプライドの塊となったあなたに言えるのは、人に上下優劣など無いという事実を思い出して欲しいという事だ。
おそらく仕事が順風で収入が突如上がると、自分は他者よりも優れていると勘違いしやすい。
自分は特別で、これまで苦労してきたから神様がこうした恩賞を与えてくれたのだと現状を美化し、感謝と反省の気持ちを忘れてゆく。

しかし、本当の成功者とは富める時ほど警戒し周囲に感謝を怠らないものだ。
身の回りを見て欲しい。
あなたの周囲に本当にあなたを愛してくれている人が何人残っているのかを。
以前あなたを愛してくれていた人たちを、あなたが拒絶して関係を断絶し、気づけばYESマンしか残っていないのではないだろうか。
またはあなたの財産のみが目当ての亡者だけではないだろうか。


対処法2、転落後具体的に取るべき行動


いったん全ての金儲けの行動をやめてみるのだ一番だろう。
株式トレード、外国為替取引、仮想通貨などの投資行動。
競馬、カジノ、宝くじなどのギャンブル行動。
おそらく余剰資金でそうした事にも手を出していたかもしれないが、お金稼ぎにのめりこむと、自分は何のために稼ごうとしているのかを忘れてしまう。
ただ単にゲーム感覚でお金という数字を増やすために行動し、自分自身が金の亡者になってしまうのだ。
そして、これらの行動に共通して言えるのは、自分の収入が誰かのマイナスになるという事だろう。
真なる成功は、自分の成功が相手の成功にも繋がり、自分の成功が周囲から祝福されるものを指す。
そうではない態度から一切手を引いてみるのだ。

しばらくすると、自分がいかに目的無くお金に執着してたか。
明確な使い道を決めず、ただ単に収入を増やしたいと思っていたかが見えてくる。
気持ちが焦り、マイナスを取り戻そうとすれば投資は絶対にうまくいかないし、勝ち目の無いギャンブルに落ちてゆく。

20代、30代の頃を思い出し、何のために仕事をするのかを再度振り返えろう。
人生の中でそうそう自分を本気で振り返る時期は無いものだ。
40代は自分を自分が見つめる最高の年なのだと言える。

曇りかけた心を晴らすため、疎遠にしていた古い友人にコンタクトしたり、疎かにしていた墓参りをしてみるのもよいだろう。
やったほうが良いとわかっていたのに、やっていなかったことをひとつづつこなすのだ。


転落から3年で上向く運勢


反省と感謝の気持ちを取り戻せば、運勢は3年で帰ってくる。
というよりも標準の状態に戻るといったほうがよいかもしれない。
収入の増減で心が揺れることも無くなり、人をないがしろにする事もなくなる。

収入と言う物質面と感情とを切り離し、心穏やかに過ごせるようになれば、本当に大きな成功の芽が出てくるはずである。
挫折や苦悩は、精神を鍛錬させるために運命があなたに与えているもの。
その最中にある時は、とても前向きになど考えられないかもしれないが、あなたを大きく成長させたて来たのは間違いなく苦境や悲しみ、挫折や苦悩なのだと知ろう。


再び豊かになった時


人生のどん底を経験し、またはそこまで行かなくても苦境を乗り越え、再び豊かさと思えるような状況になったときについて考えてみたいと思います。

一度底を味わったのなら理解できると思うが、真の成功やゆとりというものは自分一人で獲得できるものではないと理解できるだろう。
物質的な豊かさだけでなく、心も豊かになるためには、自分一人が他者を出し抜いて得られるものではない。
この事を胸に刻み、感謝と反省の気持ちを忘れないようにして欲しい。


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