不衛生な出張先

寂れた港町へ出張することになった。
船で10時間、北の港へ到着し、そこからさらに小舟で数時間。

いったいそこがどこなのかさえもよくわからないまま船旅をし続けた。

港に到着すると、周囲には氷河があり、雪もちらつく極寒の地であることがわかったが、夢の中なので寒さは感じていない。

村で一番大きな家に仕事仲間5人で宿泊させてもらった。

おそらくこの集落ではかなりの有力者なのだろうが、それでも日本の価値観から比較すれば相当貧しい暮らしであることは間違いない。

寝室には洗濯されていないよごれた毛布とシーツ。

ぎしぎしと音を立てる木製のベッドには薄くて硬いマットが敷いてあるが、その上を赤い蟻がときおり歩いていた。

この極寒の地で生きている昆虫なのだ、相当生命力が強いだろうし、ともすれば私たち人体でさえ皮膚を食い破られるのではないかと恐怖心も強くなる。

出張の目的はこの場所に新たに商業施設を建築するための調査という内容だったが、おそらく出店しても物流が確保できず、店はすぐにとん挫するだろうと感じた。

食事は肉を出してくれたが、正直衛生面が気になった。

ほとんど黒焦げになっているが、この地で生きていた野生の、何かしらの動物の肉なのだろう。

肉皿に一緒に添えられていた果物は、元の大きさの10分の1くらいになったのではないだろうかと思えるほど小さく、おそらく水分が外に逃げこの状態になったのだろう。

それを考えると、この果物の経年数と同程度の肉が出されたとしてもおかしくない。

いくら焼いた肉とはいえ、さすがに食べるのは不安だった。

他の仲間はしっかり食べていたが、ここには病院もないし、薬も持ち合わせていない。

何かあったら不安なので、自分は食べない事にした。

それより寝る時の事を考えると憂鬱だった。

あの赤い蟻がベッドに這い上がってこない方法を考えなくてはならない。

「回想」

夢に登場する人物は、日頃一緒に仕事をしている知人が1人、あとの4人は見知らぬ人だった。

全員男性なのだが、衛星面が気にならないのが不思議だった。

言ったことも見たこともない場所にもかかわらず、招待された家にはどこか見覚えがあり、おそらく自分が幼少期に暮らしていた時の家だったのではと後から思った。


不衛生な階段と排水が流れてくる家

夢の中で何かの競技を見ていた。
それはプールを利用するものだが水泳ではなく、水球のようなものでもない。記憶の中ではごく自然と見ているのだが、初めて見るスポーツだった。

観客席から競技者達に声援を送るのだが、その観客席から競技者へ支援のようなトスができるため、財力のあるものは現金をプールに投げ入れ、また食料や衣類を投げ込む人もいた。
自分はそんな光景を見ているのが嫌になり、ここから立ち去ろうと席をたった。

観客席から裏口に出て、階段を降りていくことにする。しかし、そこは陽の光が全く当たらない陰鬱な場所なため、カビやコケが生え、また小さな虫も沢山いる不衛生な階段だった。

どういうわけか自分は素足でそこを行かねばならず、それでも先ほどの観客席に戻る気にはなれなかったので、目視で清潔そうなところを見つけながら階段をゆっくり降りて行った。

早くしなければセミナーに間に合わなくなるという焦りがあるのだがなかなか進めず。後ろからは先ほど見かけた財力のある男性が追いかけてくるので、もう階段の場所を気にしている余裕はなかった。

どうにかセミナーの時間には間に合い、大きな資料を手に取って講義を受けた。
話の内容はわからないが、とても厚いこの資料はここに置いていくべきものなのか、それとも自分で持ち帰るのか迷っていて、後で何か言われても困るので、そっと机の下に置いていくことにする。

セミナーが終わるとホテルに戻る手続きをすることになっていたのだが、本部らしきところから電話があり、急遽宿泊先の変更を伝えられた。今日は香港の桜ホテルという場所に泊まる予定だったが、日本の勝間榊原ホテルというところに行けというのだ。
あくまでも夢の中な話だが、その名の通り、勝間和代さんと榊原郁恵さんが共同経営するホテルで、フロントに郁恵さん、そして係りのスタッフは学生時代ともにアルバイトをしていた男性が務めていた。

本当は香港の桜ホテルでお寿司を食べたかったが、おそらくこちらの方が安かったのだろう。

私は日本の勝間郁恵ホテルに宿泊するのもやめ、自分で部屋を探してみることにした。実際に使ったことは無いのだが、夢の中でB&Bサービスを活用し、1軒の民家へ宿泊することにした。

その家は1つの大きな家を間仕切りにしてるもので、緩い坂道に建っていた。
坂道の上の方、玄関から見て一番右にある部屋には男性が長く暮らしており、坂道の一番下側、玄関から見て左側には女性が住んでいた。
一般に貸し出しているのは中央の部分だが、ここには洗濯機もキッチンもない質素な部屋だった。

部屋に入ると異臭に気づいた。水の流れる音がして、部屋のあちこちを見てみると、最も隅の淵に用水路のようなものがあり、隣に住んでいる男性の部屋からの生活排水が部屋を通過しさらに下側の部屋へと流れていた。
ここは排水を家の外側ではなく内側を通しているのだ。彼が洗濯機を使うたびに大量の排水が部屋に流れ込み、この音と衛生面がとてもきになった。

自分は2泊程度しかしないため、少しの我慢だとは思うが、これは後からこの部屋に宿泊する人に伝えたほうが良いのかもしれないと心の中で感じ、付近の大きな食堂に行き、そこの掲示板に実情を書きだそうとしていた。
そこへ排水を流している男性が現れたのが、この彼が先ほどのホテルのスタッフだった。私は彼に、事の次第を細かく伝え改善できないかと尋ねてみたが、これはこの家の持ち主の判断だと言う。まぁ言われてみれば当然なのだが。

深夜の1時、この時点で一度目が覚め夢は途絶えた。

「回想」前半の不衛生な階段。後半の不衛生な排水。どちらも清潔感に関するものが関与していて、さらにプールにお金や物を投げ込む人間の欲望や優越感、ホテルの場所を急遽変更してくる本部など、心地よい夢とは言えなかった。
おそらく現実世界で息の詰まる事を感じているのだろうかと少し振り返ってみた。たしかに思い当たる節はあった。生活をしていると気づかないが、こうして夢を見ることでそのことにフォーカスすることができ、今朝はその解決策を頭の中でイメージし、おかげでとてもすがすがしい気持ちになれた。